表面利回りとは、年間家賃収入を購入価格で割って計算した利回りのことです。
一方、実質(手取り)利回りとは、年間家賃収入から管理費や修繕積立金といったランニングコストを差し引いた後に、購入価格で割って計算して利回りです。
【表面利回り】
(年間家賃収入÷物件価格)×100
【実質(手取り)利回り】
([年間家賃収入−管理費・修繕積立金等]÷物件価格)×100
投資物件の収益力を正しく評価するためには、実質利回りを用いるべきです。ただし、実質利回りは確かに収益性を示す指標ですが、あくまでも『現時点』における利回りに過ぎません。現在の利回りが、将来にわたって保証されているわけではないのです。たとえば、郊外の物件で利回りが20%以上だといっても、それは現時点での利回りに過ぎません。賃貸需要の少ない郊外の場合、家賃下落、空室の影響は市街地中心部よりも大きく、大幅に利回りが下がる可能性もあるのです。
物件選びの絶対的な基準ではなく、ひとつの目安として利回りを用いることが良いでしょう。
また、現在の入居者の家賃と現在の相場家賃の差が大きい物件の場合、利回りが底上げされていることになるので注意が必要です。
たとえば、10年前から住み続けている入居者の家賃が80,000円の場合、同マンションを新たに貸し出した場合の家賃が70,000円に下がっていることがあります。仮に、この状況で入居者が退去した場合、毎月の家賃収入は1万円、年間12万円も下がることになり、投資利回りも下がってしまうのです。