不動産購入申込書は買付証明書とも呼ばれ、不動産を購入したい意思を売主に伝えるための書類です。これは法的拘束力を持つ契約書ではありませんが、売買契約の前段階で購入の意思を明確にし、交渉を進めるための重要な書類です。以下、詳しく解説します。
1. 不動産購入申込書の目的
購入希望者(買主)が売主に対して「この条件で買いたい」と意思表示するための書類
価格交渉や条件調整のベースとなる
売主が複数の購入希望者がいる場合、誰と契約を進めるかの判断材料になる
2. 不動産購入申込書の法的効力
契約ではない:購入申込書を提出しても、売主が必ず売却しなければならない義務はなく、買主も購入を確定したわけではない
キャンセル可能:基本的に違約金なしで撤回できるが、申込時に手付金を支払った場合、返金されない可能性がある
売買契約とは異なる:正式な売買契約は、「売買契約書」を締結することで成立する
3. 記載される主な内容
① 物件情報
物件の所在地・面積・構造など
登記情報
② 購入希望価格
売主の提示価格に対し、購入希望者がいくらで買いたいかを記載
交渉の出発点になる
③ 支払い条件
頭金の額
残代金の支払い時期
ローン利用の有無(住宅ローン審査が通らなかった場合の対応など)
④ 契約予定日
売買契約の締結予定日(通常、申し込み後1〜2週間以内)
手付金の支払い日
⑤ 住宅ローンの利用
金融機関の事前審査の承認が必要な場合がある
住宅ローンが利用できなかった場合の対応(ローン特約の有無)
⑥ その他条件
契約不適合責任の有無
引渡しの時期(即入居可能か、賃貸借契約があるか)
付帯設備の引継ぎ(エアコン、家具、カーテンなど)
⑦ 申込日と署名
申込日を記載し、購入希望者の署名または捺印をする
4. 申込後の流れ
〇不動産購入申込書の提出
・購入希望者が記入し、不動産会社を通じて売主へ提出
・売主の承諾または交渉
・売主が価格や条件を検討し、合意すれば売買契約へ進む
・価格交渉や条件の調整が行われることもある
〇売買契約書の締結
・売主・買主が合意したら、正式な売買契約を締結
・手付金を支払い、契約内容を確定
〇住宅ローンの本審査・決済
・住宅ローンを利用する場合、本審査を受ける
・ローン特約を結んだ場合、審査が通らなかった時は白紙解約となる
〇引渡し・登記手続き
・代金を支払い、物件の引渡しと所有権移転登記を行う
5. 申込書提出時の注意点
✅ 金額交渉が可能か確認
✅ ローンの事前審査を受けておく(審査落ちでキャンセルにならないように)
✅ 売主の意向や物件の競争状況を把握(人気物件なら早めに行動)
✅ 契約前に重要事項説明を受ける(物件の法的リスクを確認)
✅ キャンセル条件を事前に理解する
6. よくある質問
Q1. 購入申込書を提出したら絶対に買わないといけませんか?
A. いいえ。申込書には法的拘束力がなく、契約前であればキャンセルできます。ただし、売主の信頼を損なう可能性があるので、慎重に申し込みましょう。
Q2. 申込金は必要ですか?
A. 不動産会社によっては申込金(預かり金)を求めることがありますが、必須ではありません。申込金は後で返金されるケースが多いですが、事前に確認しておきましょう。
Q3. 申込書を出してからどれくらいで契約になりますか?
A. 通常、1〜2週間以内に売買契約を結びます。ただし、条件交渉やローン審査の進捗次第では延びることもあります。
Q4. 売主が申し込みを断ることはありますか?
A. はい。売主には申込を受け入れる義務はなく、他の希望者と比較したり、条件が合わない場合には断られることもあります。
7. まとめ
不動産購入申込書は売買契約ではなく、購入の意思を伝えるためのもの
価格や条件交渉のスタートラインとなる
法的拘束力はないが、売主との信頼関係を意識することが重要
提出前にローン審査や契約条件をしっかり確認すること
不動産購入をスムーズに進めるために、申込書の内容や流れをしっかり理解しておきましょう!
うえくぼ不動産事務所では、不動産購入申込書提出前から決済後のアフターフォローまでしっかりサポートして参りますので、ご質問等は随時何でもお気軽にお問い合わせ下さい!